本研究では骨格筋培養細胞およびマウスを用いたサルコペニアモデルにより、チロシンキナーゼFynがサルコペニアを惹起する因子であるかどうかについての理解を深めた。本研究結果より、FynがIL-6/STAT3経路を介してオートファジー活性を調節し骨格筋量を制御している機構が明らかになった。 サルコペニアは加齢に伴い骨格筋量が減少する原因不明の疾患であり、現時点で有効な治療薬は存在しない。本研究結果はサルコペニアの病態解明に寄与するものであり、Fyn、IL-6/STAT3経路がサルコペニア治療のための創薬のターゲットとなり得る可能性を示した。将来的にはサルコペニア治療への応用が期待される。
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