近年、高齢ドライバーによる交通死亡事故が社会問題となっており免許の自主返納が助言されている。しかし、公共交通機関の充実していない地方に暮らす高齢者にとって自動車は生活の足であり、不安ながらも運転を継続しているのが現状である。よって、安全に運転することができる期間(安全運転寿命)を延伸することが重要となるが運転時に必要となる視覚情報を用いた動作の制御機構や機能低下に関わる生理学的機序は解明されていない。本研究では、脳の中前頭の脳波律動、補足運動野や運動前野の活動が視覚運動制御に関わることを示した。本研究の一連の成果は視覚運動制御機能の加齢低下に対する新たな介入手段の確立に繋がることが期待される。
|