昨年度は,全身への温覚提示を目的として本手法での温覚提示に適した素材を調べた.またサーモカメラを用いた素材表面の温度測定を新たな音場の計測手法として利用できることを見出した. 本年度はこの音場の計測手法の確立について取り組んだ.具体的には,メッシュスクリーンとサーモカメラを用いて,超音波の照射されたスクリーン表面をサーモカメラにより熱画像として可視化する手法である.この手法は二次元の面をリアルタイムに計測することができ,メッシュを動かすことで容易に三次元分布を把握することもできる.そのため,マイクを走査して分布を測定する従来手法と比較して,短時間で音場の計測ができる.この手法の有効性は,構築した物理モデルと実験の比較により確認された.
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