埼玉県北東部において、田植え時期と輪作の有無といった耕作条件の異なる水田[早植え栽培(5月初旬植え)、普通期栽培(6月初旬植え)、米麦二毛作(6月下旬植え)]において、水生動物群集の比較を行った。耕作条件間で群集構造に有意な差が認められた。早植え栽培ではドジョウ、トウキョウダルマガエル幼生、アカネ属幼虫が特徴的に出現し、二毛作水田ではユスリカ幼虫と肉食昆虫が数多く出現した。さらに、高次捕食者であるサギ類をタイムラプス撮影で観察したところ、田植えから40日後までは水田へ飛来したが、50日経過後は姿を確認されなかった。水田は限られた期間のみサギ類の餌場として機能することが明らかとなった。
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