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2021 年度 実施状況報告書

「不便益の視座」と「感性工学の方法論」を用いたデザイン原理の発展

研究課題

研究課題/領域番号 20K20124
研究機関京都先端科学大学

研究代表者

重本 祐樹  京都先端科学大学, 工学部, 特任講師 (60818376)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード感性工学 / KJ法 / 不便益 / マクロビオティック / デザインマネジメント / デザイン思考 / 創造性 / 感性
研究実績の概要

昨年度の研究進捗と新発見を受け継ぎ、今年度は下記の進捗が得られた。1)長町教授が描き、実施している“感性工学”の全容、2)長町教授の感性工学の前半を構成する、川喜田教授の“正則的な”KJ法の全容、3)長町教授の感性工学と川喜田教授のKJ法の根幹を支える日本(東洋)に固有の“感性”の重要性、4)感性が組み込まれていない西洋科学の限界点の把握、5)食と教育を通じた感性の開拓を実践した桜沢氏のマクロビオティックの本質(=西洋科学と東洋科学の統合の試み)、6)現代のデザイン論の文脈で、1)から5)の知識と実践に新たな説明と与える存在としての不便益の意義(また、不便益自体も、感性工学とKJ法とマクロビオティックによって発展がなされる)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究を計画した2019年には見えていなかった感性工学の方法論の本質が、長町教授との共同実践・研究により分かった。そのため、当初の研究計画書にあったインタビューと統計解析よりも、より効果的な開拓的デザイン原理の発展方法にたどり着き、それを具体的に手順化したものがKJ法であることも分かった。また、この正統な感性工学とKJ法の組み合わせが、世界で流行しているスタンフォード大学・IDEOのデザイン思考モデルの源流であり上位互換であることも分かり、体系化を行っている。これらの実践の本質には、西洋科学には無い感性の探究が重要であり、その本質は人間が介在することにより創造性の向上である。この本質をデザイン論の文脈で説明しうるラベルが不便益である。また、西洋科学と東洋の感性の接合を試み、教育論に発展していたのが桜沢如一氏であり、その思想と実践はマクロビオティックとして体系化されている。したがって、感性工学、KJ法、不便益、マクロビオティックを開拓していくことが、今後のデザイン論の発展に寄与するとともに、新たなデザインの指針、すなわちデザイン原理の開拓可能性を示す。以上より、当初の計画とは方向性は異なるものの、本領域に関わる複数のテーマの全貌や、デザイン論にもたらす新たな意義の開拓という観点から、計画時以上の成果が上がってきている。

今後の研究の推進方策

このまま、感性を基盤とする新たなデザイン論の開拓を進める。今後は、多様な社会文化に根付く武術、食文化、民藝、芸術、神事が鍵となるため、民族地理学的な研究の方向性に向かう。同時に、それらを社会システムや組織実装に活用するための、経営学的視点からの調査・実践も行う。

次年度使用額が生じた理由

研究進捗にある通り、コロナ渦による影響と、研究成果の方向性が変わってきたため、調査費用の発生時期にずれが生じているため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 不便益とデザイン学:創造的人間行為への回帰2021

    • 著者名/発表者名
      重本祐樹
    • 雑誌名

      計測と制御

      巻: 60 ページ: 854-857

    • DOI

      10.11499/sicejl.60.854

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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