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2020 年度 実施状況報告書

なぜ人は協力できるのか?不確実性下の社会性を支える認知基盤の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K20153
研究機関九州工業大学

研究代表者

佐藤 友美 (分部友美)  九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80633825)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード協力行動 / 心的状態の理解 / 不確実性の認識 / 社会性
研究実績の概要

ヒトは,他者と関わり合うことをその本質とする,社会的動物である。では,ヒトの社会
性を支える基盤とは如何なるものであろうか?この問いについては,これまで「他者の心的状態(考えや感情)を正確に理解する能力が不可欠」と広く想定されてきた。これに対して本研究では,他者の心的状態の理解は原理的に不確実であること,それゆえに,他者の心的状態に関する自身の理解の不確実性を認識することが社会性の基盤となることを新たに提唱する。
2020年度はまず,本研究の基軸となる不確実性下の社会的相互作用課題を新たに構築し,その課題をもとに社会性の認知基盤を解明することが目標であった。具体的には,囚人のジレンマのパラダイムを応用し,相手に協力してより多い報酬を得るために,相手に裏切られるリスクを冒す行動をとることができるかを測る。ただし,相手が協力的か非協力的かは実験協力者には不確実になるようにしている。同時に,その推測がどれほど間違いないと思うかも答えてもらい,心的状態の推測における不確実性を認識する能力を測る。
では,その協力行動をより強く規定する因子は,他者の心的状態を正しく推測する力とその不確実性を認識する力のどちらであろうか?2020年度はこのような問いを検証し,本研究の軸となる課題を構築するとともに,ヒトの社会性を支える認知基盤を解き明かすことが目標であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究責任者は8月まで育児休暇を取得していた。さらに,新型コロナウイルス感染拡大に伴い,対面での実験実施が困難になった。そのため,遠隔で実験を実施するために実験パラダイムを組みなおしになり,研究を予定通り進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

4月より遠隔での実験パラダイムを構築するための予備実験を開始している。実験パラダイムが確定し次第,本実験を開始し,2020年度予定であった研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

2020年4月から7月まで育児休暇を取得していたこと,さらにコロナ禍による研究遂行の遅れにより,当該年度に使用予定であった旅費,人件費・謝金を使用できなかった。次年度は,当該年度で行う予定であった実験および次年度で行う予定である実験を進めていくにあたり,物品費,旅費,人件費・謝金を使用していく。

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公開日: 2021-12-27  

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