研究課題
若手研究
機能性材料、特に生体模倣ソフトハイドロゲルの表面の微細なしわを正確に制御することはまだ困難である。この問題を解決するために、ゼラチンゾルをグルタルアルデヒド(GA)で2段階に架橋する手法を開発した。本研究では、ゲル表面に自発的に形成されるマルチスケールの微細凹凸構造の精密な制御法を確立することで、バイオミメティックなプラットフォームを開発した。本研究は弾性率と微細凹凸構造の独立制御を可能とする細胞培養ハイドロゲルを開発し、表面微細凹凸構造への細胞遊走挙動メカニズムを明らかにしうるものである。
材料工学
細胞遊走は、恒常性の維持、様々な生理機能の発現や、組織・器官の発生において基礎をなす機能である。細胞外環境の特性が細胞の接着、伸展、増殖、分化などの特性に決定的な影響を与える。得られたゲルは表面微細凹凸構造への細胞遊走挙動を観察するプラットフォームとして期待できる。また、細胞形状が微細凹凸構造に応答していることが示されており、細胞操作材料としての応用も期待される。細胞の遊走について新たなメカニズムが提案されることは、細胞バイオメカニクス領域の発展に貢献できると考えられる。