核酸搭載脂質ナノ粒子は熱力学的に不安定であることから、特定の細胞を標的とするためのリガンド分子の修飾は困難であった。本研究では、この問題を解決するためにナノ粒子表面でクリック反応を利用して、迅速かつ高効率に抗体を修飾させる技術を開発した。また、実験計画法を用いた体系的な最適化手法を開発したことにより、標的細胞へと核酸を送達するために最適な脂質組成や抗体修飾条件を速やかに見出すことを可能とする手法を考案した。これらの基盤技術により作成した抗体修飾LNPにより、皮下のリンパ管内皮細胞へsiRNAを送達し任意の遺伝子の発現を制御できる技術を開発した。
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