フラビウイルスは安全性、腫瘍溶解性などの点で優れた増殖型ウイルスベクターとなり得る。しかし、外来遺伝子を安定的に発現するベクターは成功例がない。本研究ではRNA変異原を用いた網羅的な変異ウイルス作製により、外来遺伝子を安定化する変異の同定を試みた。リバビリンの存在下でレポーター遺伝子を有するフラビウイルスを10回継代し、依然としてレポーター遺伝を有するウイルス3種類を単離した。これらのウイルスに共通した変異が、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性のあるNS5に導入されていた。その領域に変異を有するウイルスをリバースジェネティックス法により作製し、実際に外来遺伝子が安定化するかを検討している。
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