固体状態でイオン種の拡散/移動現象を示すイオン性固体はこれまでいくつか知られている。しかし、それらのほとんどは、無機固体を高温に加熱して得られており、作動温度も極めて高い。一方、本研究において開発した金属超分子を構成単位とするイオン性固体においては、アルカリ金属イオン、特にカリウムイオンが固体中、室温でも自由に流動することが示された。また、このイオン性固体は、異なるイオン種を含む溶液に浸すだけで別のイオン性固体へと容易に変換され、特異な機能性の負荷も可能であることがわかった。今後、この種のイオン性固体は、手軽に室温でも利用可能な全固体二次電池や熱電素子などの機能性材料への応用が期待される。
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