同じ動物種内であっても個体ごとに嗅覚の敏感さに違いがあることが知られている。本研究では、個体ごとの嗅覚感度を規定するメカニズムを明らかにすることを目指した。ショウジョウバエの行動実験・遺伝子発現解析を行った結果、飢餓レベルによって変動する「sNPFR(sNPF神経ペプチドの受容体)遺伝子」が個体ごとに変動し、嗅覚感度を調節していることを見出した。この事実は、同じ遺伝的背景を持っていても、個体ごとの僅かな飢餓レベル(いつ、どれくらいの量の食餌をとったか)によって、嗅覚感度が大きく変動することを示唆している。
|