研究課題/領域番号 |
19H05469
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
安藤 昌也 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (70513729)
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研究分担者 |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (40369864)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 人間中心設計 / 文化人類学 / 人工知能 / システム設計 / 設計思想 |
研究実績の概要 |
初年度は、本研究の課題の明確化と研究体制の確立を主な目的として実施した。はじめに、文化人類学および人間中心設計、双方の観点からシステム設計に関する視座や学術的な背景について議論を行なった。人間中心設計は一つの学問領域として独立したものではないが、人間工学や参加型デザインなど周辺領域との関係などについて理解を深めた。 第1回研究会を2020年12月17日にJAIST東京サテライトにて開催した。文化人類学を背景とした研究者2名、デザイン学を背景とした研究者および実践者3名、人間中心設計を背景とした研究者3名の参加者で実施した。研究機関に所属する研究者4名、企業に所属する研究者4名という構成である。この中で、Arturo Escobarによって上梓された『Designs for the Pluriverse』をきっかけに、デザイン人類学分野の議論が活発化しつつあり、デザイン学分野でもSIGが立ち上がるなど、注目を集めていることが共有された。「多元的」という着眼点は本研究とも共通するものであるが、非欧米的価値観、非開発的価値観という立脚点が異なっていることなどが議論された。 一方、人工知能を前提としたシステム開発により、従来の”人間中心”という概念がいかに変質しうるかについては、人工知能のシステムの適用の方針によっても異なり、問題をいかに捉えるべきが明確にならなかった。 人工知能を活用している現場をフィールドワークする計画を立案し、実施する予定であったが、COVID-19の蔓延により日程を延期することとなった。また同様の理由により、海外調査を予定していたものの、渡航できず研究計画を修正することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の採択後は概ね予定通り実施できていたが、2020年2月ごろよりCOVID-19の影響により年度末より計画していた海外渡航およびフィールドワークを中止せざるを得なかった。 予定していた英国・ロンドン大学(UCL)人類学部での人類学の動向についてのインタビューや研究打ち合わせは実現せず、人類学部長(M. ホルブラード教授)とのメールでの近況のやりとりのみとなった。 フィールドワークは計画書の段階では、医療機関へのフィールドワークを予定したが、困難な状況となり研究計画を大幅に見直す必要があった。企業の現場へのフィールドワークは実質的に諦めざるを得ない状況となったため、インタビューなどオンラインで実施できる手法やテーマへと変更することとした。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の状況によって研究計画を見直す必要がある。具体的にはフィールドワークを諦め、関係者へのインタビューや文献調査などへ切り替える等、研究計画の変更を検討する。研究会についても、オンラインで実施するなどとする。また、海外への渡航は、状況によって判断するが、困難な状況が続くようならば延期する。 研究の前半では研究課題を明確にすることであり、関連する領域についての研究者や実践者へのインタビューを行うなど、コロナの影響が少ない方法で実質的に成果が上がるような方法に変更することを検討する。
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