電子線直接描画と集束He+ビームを用いた超微細加工技術で、宙吊りグラフェン上に様々なナノフォノニック構造を作製した。チャネルの両端に電気・熱測定用4端子電極を形成し、独自のDifferential Thermal Leakage(DTL)法によりナノスケールの熱フォノン輸送特性を計測した。直径5~6 nmの2次元ナノ孔アレイをチャネル半面に形成した非対称ナノメッシュ構造において熱整流現象を初めて観測し、環境温度150 Kで約80%の熱整流率を得た。また幅30 nmの極細ナノリボン6本の並列チャネルをチャネル半面に形成した非対称構造では、室温で40%を超える熱整流率を得ることに成功した。
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