研究課題
挑戦的研究(開拓)
生物の加速的な環境適応技術を開発する目的で、「ゲノムの活用方法」に着目した。具体的には、好熱菌Thermus thermophilusのリボソーム(特に16S rRNA)を改変することにより、野生株の生育できない低温での生育を可能とする変異株を得た。16S rRNAは保守性が高く、種のアイデンティティともされる分子であるが、人工的な手法により改変することで従来のゲノム点変異蓄積型の進化とは全く異なる機構による進化が実現したと考えられる。
生物工学
従来型のゲノムへの変異の蓄積による段階的な進化ではなく、遺伝子の発現プロファイルを変えるという新たな進化様式による生物の適応進化を示すことに成功した。本方法は、リボソームの進化的保守性という既成概念と異なる事実の発見に基づいている。