研究課題/領域番号 |
20K20467
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小田 竜也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
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研究分担者 |
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
籏野 健太郎 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50228475)
森 健作 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80361343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レクチン / 膵がん / 画像診断 |
研究実績の概要 |
がん病巣を能動的に描出するactiveイメージングにおいて、その担体としては、今までは主に抗体が使われてきた。本研究では、がん細胞表面糖鎖を標的する新しい画像診断として、糖鎖結合蛋白であるレクチンをPETプローブとして利用する方法を開発した。 まず、rBC2LCNに[18F]N-スクシンイミジル-4-フルオロベンゾエート([18F]SFB)を結合させたレクチンPETプローブの合成を行い、放射化学的純度95%以上の高性能の[18F]FB-rBC2LCNプローブを調製することに成功した。[18 F]FB-rBC2LCN はBC2レクチンのリガンドであるH-type-3糖鎖陽性のCapan-1膵臓癌細胞に結合することが明らかであったので、Capan-1腫瘍を皮下に移植したヌードマウスをモデルとした。そのマウスの尾静脈に[18F]FB-rBC2LCN(0.34±0.15MBq)を注射した後の腫瘍取り込みは60分で6.6±1.8 %ID/gと明らかであったが、150分で8.8±1.9 %ID/g、240分で11±3.2 %ID/gと時間経過とともに増加した。腫瘍-筋肉比は60分で7.5であったが、360分後には19±1.8まで上昇した。実際のPETイメージング画像としても、注入後60分という早い段階から明瞭の腫瘍が映像化され、その像はで達成され240分まで増加し続けた。 我々の18 F標識rBC2LCNレクチンは早期膵臓癌を検出できる可能性が十分にあり日本癌学会英文誌Cancer Science掲載する事ができた。しかし、今後の臨床応用に際しては、腎臓への非特異的集積を低下させる事、S/N比の向上、rBC2LCNの免疫原性の回避などの改良が課題として残されている。
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