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2021 年度 実施状況報告書

高齢者の身体機能に対応する持続支援可能なロボット型パーソナルモビリティの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K20494
研究機関東京大学

研究代表者

田中 敏明  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (40248670)

研究分担者 加藤 士雄  北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)
小舘 尚文  北海道大学, 公共政策学連携研究部, センター研究員 (50396694)
三浦 貴大  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80637075)
渡邉 高志  東北大学, 医工学研究科, 教授 (90250696)
白銀 暁  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (90404764)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードパーソナルモビリティー / アシストロボット / 移動支援機器 / 高齢者・障害者 / 福祉工学
研究実績の概要

2021年度(2022年5月)の課題である高齢者の関節運動と正常な関節運動との誤差を経時的にモニタリングする.また,RPM(ロボットスーツとパーソナルモビリティ)自体もセンシングし,高齢者の動きとの連動性を監視するシステムを構築する.結果として、ヒトとRPMの関節運動をセンシングするIMUを用いた歩行分析システムを構築した。歩行アプリとスマホを用いた無線式となった。健常人で歩行分析を実施した結果、データのバラツキを検討する変動係数において10%以下という再現性のあるデータの取得が可能となった。また、課題の一つである感覚フィードバックシステム構築として、歩行アプリで使用した無線式センサを用いて体幹および上下肢運動で異常運動を起こした際に,センサが感知し,振動と音声による複合刺激を使用者(患者)に提示するシステムを構築した。これにより、無線式位置センサで下肢関節の運動を監視し,正常運動から逸脱する場合,振動および音声刺激で注意を促すことが可能となった.また,RPM側自体にも位置センサを使用し,ヒトの動きを支援しつつ,異常運動を生じないよう監視可能となった。加えて、既製品である歩行アシストロボットを用いて、ロボットの関節運動とそれを装着したヒト側の関節運動が一致しているか動作解析装置を用いて計測分析した。結果として、ロボットスーツとヒトの関節位置のズレは膝関節、足関節ともに数センチとなった。また、運動制御が軽度であるほど、ズレは大となった。この結果より、ズレが歩行時のどのタイミングで大となり、使用する高齢者、障害者に負担と危険を伴うか詳細に検討可能なIMUセンサと注意喚起システムの構築の必要性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度予定の課題はほぼクリアーしたが、昨年度と同じく、コロナ感染症対応のため被験者を依頼することが困難なため、パーソナルモビリティーおよびアシストロボットを用いた実験は、当面、健常人を被験者として基礎データを収集分析を実施した。また、先行研究データおよび文献的調査を精査した。

今後の研究の推進方策

2022年度では、課題であるRPM制作・RPMのIoT化を目指す。本システムは, 3つの移動支援機器として、①立ち上がり座り等トランスファー支援を含む車椅子・パーソナルモビリティ,②歩行器様アシストロボット,③歩行様アシストロボットに、無線式センサおよび感覚フィードバック機能を有する.なお、本年度は振動・音声刺激に加え視覚刺激に関してHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて本フィードバックシステムに加え構築することとする。現在、①と②を構築した。本年度はこれに③を構築する。さらに,IoT技術を用い,常時モニタリングし,かつ,生体情報としてバイタルサイン(心拍,血圧)もモニタリングし,安全性を高めることとする.最終的には、開発した全システムの臨床応用としては,まず病院施設でのリハビリテーションとして用いるため,協力機関において,本システムの有効性の検証を行う.有効性の検証としては,具体的には,一昨年度に実施した臨床での身体機能評価およびセンシングで得たデータから,典型的な患者例のリハビリテーションの進捗状況と経時的比較検証を行い,本システムがより有効であり効率的なリハビリテーションを支援しうるかを検証する.

次年度使用額が生じた理由

物品費に関しては、歩行アシスト機器等移動支援機器の選定に時間を要している。本研究での目的に合致した機器選定に時間を要したため、関節運動等への注意喚起システムを先行して実施した。来年度実施するIoT技術を用いた常時モニタリングに関して調査した。また、旅費に関しては、昨年度と同じく、コロナ感染対応のため、英国への海外出張および国内学会への参加が中止となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Influence on the Walking Ability by the Different Load Support with a Robot Suit for Clinical Application of Robot Therapy.2021

    • 著者名/発表者名
      Toshiaki Tanaka, Ryo Matsumura, Norio Kato, Nobuya Hashimoto.
    • 雑誌名

      International Journal of New Technology and Research

      巻: 7 ページ: 31-34

    • DOI

      10.31871/IJNTR.7.4.7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Effect of Walking Backward on a Treadmill on Balance, Speed of Walking and Cardiopulmonary Fitness for Patients with Chronic Stroke: A Pilot Study.2021

    • 著者名/発表者名
      Ken-Wei Chang, Chih-Ming Lin, Chen-Wen Yen,Chia-Chi Yang,Toshiaki Tanaka and Lan-Yuen Guo
    • 雑誌名

      Int. J. Environ. Res. Public Health.

      巻: 18 ページ: 1-10

    • DOI

      10.3390/ijerph18052376

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] ・支援機器の臨床試験におけるアウトカムとその選定方法に関する調査研究.2021

    • 著者名/発表者名
      白銀暁, 井上剛伸.
    • 雑誌名

      リハビリテーション・エンジニアリング

      巻: 36 ページ: 164-170

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ロボットスーツによる支援負荷の違いが歩行に与える影響.2021

    • 著者名/発表者名
      松村亮, 加藤士雄, 田中敏明
    • 学会等名
      第10回ロボットリハビリテーション・ケア研究大会
  • [学会発表] 転倒骨折後の住宅改修に携わる職種と退院後の再転倒事例の分析2021

    • 著者名/発表者名
      今枝秀二郞、内山瑛美子、孫輔卿、角川由香、田中敏明、 三浦貴大
    • 学会等名
      日本転倒予防学会 第8回学術集会
  • [学会発表] A kinematic analysis of dynamic sitting balance ability during horse assisted therapy in elderly people.2021

    • 著者名/発表者名
      Rika Miura, Maho Kawabe, Aiko Kojima, Naomi Esasi, Yasuhiro Nakajima, Norio Kato, Toshiaki Tanaka.
    • 学会等名
      World Physiotherapy Congress 2021
    • 国際学会
  • [図書] ジェロテクノロジー2021

    • 著者名/発表者名
      廣瀬通孝、伊福部達、田中敏明、他
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      東京大学出版
    • ISBN
      978-4-13-034314-5

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公開日: 2022-12-28  

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