本研究成果の意義は、手法の開発とその応用から得られた知見の二つにある。まず、手法という観点からは、本研究にて、これまで生命科学では用いられることがほとんどなかった誘導ラマン散乱顕微鏡を脳科学研究用に開発し、応用した。これまで用いられてきた蛍光・発光顕微鏡とは異なる情報を可視化できるものとして、脳科学全般の推進に貢献できるものと期待される。また、脳内水動態に関しては、病気との関連が示唆されながらこれまで解析できなかった。今回の知見から水の特殊な性質が明らかになり、今後の生理学・病態生理学・薬理学などの発展に独自の観点から貢献することができるものと期待される。
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