メタボロミクスはLC-MSなどにより低分子メタボライトを検出し、解析する新しい科学的手法で、疾患の病態生理の解明や、診断・バイオマーカーの探索に有用である。我々が独自に開発した全血メタボローム技術を用いて、加齢性疾患バイオマーカー探索を行った。15個のフレイルマーカーと22個のサルコペニアマーカーを同定した。前者は、主に抗酸化系の低下であり、後者はミトコンドリア・筋肉系の低下だった。後者の中、20個のメタボライトは、腎障害で上昇するメタボライトであった。両者はほとんどオーバーラップせず、フレイル・サルコペニアの臨床像の類似性と対照的だった。認知症マーカーも検証し、33個(5群)を同定した。
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