本研究は、「漢字字体規範史データセット」(http://www.hng-data.org/)に集積した漢字約40万字を基礎データとして、漢字字形の変種(異体字)に関して、文脈に遡った使用例の分析、和漢の歴代の漢字字書・辞典における文字規範との対比、各研究領域で作成された異体字表との照合を行い、時代差・地域差・分野差を集積した漢字字形情報を通覧する基盤構築を行い、これを通して漢字字形の理論的枠組みの深化、及び学術情報交換における字形処理の高度化・精緻化に寄与することを目的とする。 2023年度は以下の活動を行った。(1)「漢字字体規範史データセット」の原カードを国立国語研究所研究資料室に納め、保存を行った。(2)京都大学人文科学研究所附属人文情報学創新センター、人間文化研究機構広領域連携型基幹研究「異分野融合による総合書物学の拡張的研究」等との連携により2024年1月に研究集会「東洋学へのコンピュータ利用 第37回研究セミナー」を開催した。
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