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2023 年度 研究成果報告書

緑青からの炭素抽出法の開発と,青銅器に対して炭素14年代測定法がもつ有効性の実証

研究課題

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研究課題/領域番号 20K20718
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

小田 寛貴  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (30293690)

研究分担者 山田 哲也  公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80261212)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2024-03-31
キーワード青銅器 / 緑青 / 炭素14年代測定法
研究成果の概要

緑青は,青銅器中のCuと大気中のCO2とが反応し生成する.緑青は一旦形成されると新たな緑青の形成を阻止する.従って,緑青からの炭素抽出と,その14C年代測定が可能となれば,緑青の形成年代,青銅器の使用年代を得ることが実現する.本研究では,真空中での緑青の加熱分解により,正確な年代を与える反応条件を決定した.また,分析に供する緑青の量に限りがあるため,少量での測定が可能なセメンタイト合成法の検討を行った.その結果,同法では従来のグラファイト化法に比べ,測定精度が低くなるという問題が指摘された.また,年代既知の青銅器について測定を行い,緑青が14C年代測定法に適した試料であることを実証した.

自由記述の分野

文化財科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来,青銅器は14C年代測定法の対象とされてこなかった.これは青銅器自体が炭素を含んでいないためである.しかし,青銅器の表面に緑青が発生する際に,大気中の炭素を固定するところに着目し,緑青の14C年代測定法の開発を試みた.分析する緑青の量に限度があり,従来の試料調製法では測定ができないことがあるため,新たな試料調製法についても検討を行った.その結果,測定精度が低くなるという問題点が示されたが,この解決は今後の課題である.
青銅器の年代が自然科学的手法により明らかになれば,考古学・文献史学等に新たな情報をもたらすことになり,より精緻な歴史観,また全く新しい歴史観を導き出す手法となるであろう.

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公開日: 2025-01-30  

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