研究課題/領域番号 |
20K20721
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
深津 行徳 立教大学, 文学部, 教授 (70208916)
|
研究分担者 |
小口 千明 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20312803)
堀田 一弘 名城大学, 理工学部, 教授 (40345426)
浦野 聡 立教大学, 文学部, 教授 (60211778)
樋口 諒 名古屋大学, 高等研究院(文), 特任助教 (70827196)
村上 祐子 立教大学, 人工知能科学研究科, 教授 (80435502)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
キーワード | リキア / ビザンツ / 城壁年代 / 弾性波速度試験機 |
研究実績の概要 |
城壁建築の年代決定のための科学的な根拠を模索しようとする本研究は、建材に注目して、建材の積み方の様式変化と、建材の風化による損耗度に注目する二つのアプローチを試みることとした。フィールドはリキア地方の沿岸から内陸にかけて、検討対象はこの地域の10~20程度の城壁とした。 しかしながら令和3年度は、令和2年度と同様に新型コロナウィルスの流行によって海外渡航が制限され、現地調査を行うことができなかった。また、海外調査の代替として、建材の風化による損耗度に絞って沖縄等の石灰岩製城壁を対象にデータを蓄積するとともに調査の有効性を探る試みも、実験室レベルの弾性波速度試験機による強度試験・硬度測定再試験も、コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の実施によって行動・実験室の使用が制限され、実現できなかった。 したがって、令和3年度には、令和2年度に行った実験によって明らかになった課題の再検討と、最終年度である令和4年度の調査をより有効に行うための調査計画を策定した。トルコのアクデニス大学タネル・コルクート教授と連絡を密に取って現地情報の収集に努め、トルコ政府には令和4年度の発掘調査申請を行って許可を得た。 1.弾性波速度試験機による測定物の複数回の測定結果が必ずしも安定しない件については、対象物との接着を模索するため新たなアタッチメントの使用の可能性について議論した。 2.試料の不足から建材の風化による損耗度を測定できない件については、トロス遺跡近郊で最近まで運用されていたセイデケメル市の採石場を令和4年度の重点調査地とすることとした。 3.リキア各地の城壁調査については、とくにキュアネアイ遺跡を中心とすることとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
海外現地調査を研究の手段として申請した本研究は、新型コロナウィルスの影響により、現地調査を行えない状況にある。代替として考えた日本での現地調査・実験室での実験も、まん延防止等重点措置のために自粛せざるを得なかった。以上の理由により、研究進捗状況は大変に遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年8月に、トロス遺跡・キュアネアイ遺跡を中心に弾性波速度試験機と石積パターンの測量・図面化ビザンツ城壁の調査を、トロス遺跡・キュアネアイ遺跡を中心に行う。 海外調査が不可能な事態になった場合には、日本国内で、申請した調査方法の有効性を検証する国内調査を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を実施できなかったため。当該資金残額は令和4年度の海外現地調査に使用する。海外調査に支障が生じた場合には、代替として国内での調査を計画し、研究目的の達成に努力する。
|