研究課題/領域番号 |
20K20721
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
深津 行徳 立教大学, 文学部, 教授 (70208916)
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研究分担者 |
小口 千明 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20312803)
堀田 一弘 名城大学, 理工学部, 教授 (40345426)
浦野 聡 立教大学, 文学部, 教授 (60211778)
樋口 諒 名古屋大学, 高等研究院(文), 特任助教 (70827196)
村上 祐子 立教大学, 人工知能科学研究科, 教授 (80435502)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ドローン / 機械学習 / 非破壊検査 / リキア城壁 / リキア / ビザンツ / 城壁年代 / 弾性波速度試験機 / 岩石風化学 / 画像認識 / 石灰岩製城壁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、岩石風化学、画像認識、機械学習の方法や知見を援用しつつ、石灰岩製城壁の建設・修築年代決定を可能にするような、科学的方法を開発することを目的とする。 ギリシアと・小アジア各地に建設された100余の城壁の年代を確定できれば、資料が少ない地方における社会的心性の変容とそれを取り巻く国際情勢・経済的条件の変化等を、より精密に跡付けしうる。こうした重要歴史的事象の解明を可能にする事が、城壁建設・修築年代決定法考案の目的である。 本研究では、これまで建築史分野での本格的活用が遅れていたAI技術やディープラーニング技術の応用を試み、岩石風化学の有効性を、工学や歴史学の立場から実際の建造物で検証する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、海外渡航の制限が緩和されたので2020年度に予定していたトルコ・リキア地方の城壁遺跡についての予備的調査を現地で行うことができた。 浦野・小口は、城壁の「石」について、非破壊調査装置による調査を試みた。調査対象は、トロス遺跡の聖堂・アクアポリス・シアターなどである。調査の結果、同じ「石」でも計測地点によって大きな差がある事が判明した。これは、現時点では、調査対象物の自然環境の差異(土中にあったか露出していたか、方角による風・日光の影響は如何)と判断しているが、追加の調査が必要である。 樋口・深津は、キュアネアイ遺跡・トロス遺跡の城壁についてドローンによる写真撮影を行って3Gモデルを作成し、そこからオルソ画像を作成した。堀田は、その一部を材料にP.C.で機械学習を行い、石積みの差異についての認識可能性について解析した。補修による石積みの差異については、機械学習は目視によるそれをほぼ正確に反映していた。次の課題は、築城年代が確定している城壁の石積みを材料に、築城年代未確定の石積みの年代を機械学習で確定できるかである。現地の資料収集が必須である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症によって海外渡航が制限されたため。
調査対象国の自然災害(地震)のため。
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今後の研究の推進方策 |
研究調査地域(トルコ)の研究者と本研究の成果と課題について2023年3月にシンポジウムを予定していたが、2023年2月の自然災害(地震)によってトルコ側の研究者の多くが被災し、中止した。 シンポジウム開催のための予算は一年繰り延べし、感染症対策による渡航制限のために行うことができなかった調査を行うとともに、本研究の成果と課題についての公表について、トルコの研究者と協議する。
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