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2022 年度 実施状況報告書

住民の地域活動を支えるために企業が創出する市民ファンドに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K20789
研究機関日本社会事業大学

研究代表者

倉持 香苗  日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (40469044)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2024-03-31
キーワード地域共生社会 / 市民ファンド / 地域づくり / 企業の社会貢献活動
研究実績の概要

2022年度は、前年度に実施したアンケート調査の集計および分析作業をおこなった。調査の目的は、市民ファンド団体の運営体制を把握することおよび市民ファンドに企業からの寄付金が含まれているか否かについて状況を把握することである。調査は2022年2月8から3月25日にかけて実施し、調査票の配布数は84票、回収は39票であった(有効数35票、有効回収率41.7%。39票のうち4票は対象外として除外した)。
市民ファンド団体の運営体制に関する主な事項は、以下の通りである。①市民ファンド団体の法人格について(「NPO法人」7.4%、「認定NPO法人」25.9%、「公益財団法人」48.1%、「一般財団法人」3.7%、「法人格を取得していない(任意団体)」14.8%)。②市民団度団体設立のきっかけについて(「個人の意思により設立」5.7%、「企業の社会貢献活動がきっかけとなり設立」2.9%、「非営利組織が主体となり設立」34.3%、「行政が主体となり設立」20.0%、「その他」25.7%)。③常勤スタッフの人数(「0名」29.0%、「1名」6.5%、「2名」19.4%、「3名」6.5%、「4名」9.7%、「5名」6.5%、「6-10名」6.4%、「11-20名」9.6%、「21-50名」6.4%)。また、企業の売り上げの一部から寄付を募り、市民活動に配分する事業については、「ある」42.9%、「ない」51.4%、「その他」5.7%であった。
詳細な分析作業は次年度の取り組み課題とするが、市民ファンド団体が公的機関等から助成金等の支援を受けているか、助成先に「子ども食堂」や福祉課題につながる活動をしている団体が含まれているか、どのように助成先を決定しているか等に関しても焦点を当て、分析作業を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

理由は2点ある。第一に、コロナ禍において学内業務に比重を置かざるを得ない環境だったこと。第二に、新カリキュラムに伴い業務が増大したことである。したがって、現地訪問を実施することができず、アンケート調査の分析作業を実施するに止まった。調査結果に基づいた情報収集については、次年度の研究課題としたい。

今後の研究の推進方策

2023年度は、これまで実施したアンケート調査の分析作業を行う。また、調査結果に基づき、運営および助成金配分について特徴がみられる市民ファンド団体に関する情報収集をおこなう。地域共生社会において、地域住民はもちろんのこと、その地域に拠点を構える企業も地域を構成する一員として捉えると、今後さらに、社会福祉領域に限らず幅広い領域の人および機関が地域を基盤とする活動を支援していく必要がある。したがって、配分先に、福祉課題の解決に関する活動を支援しているか否かという点や、助成先(配分先)決定に市民が参画しているか否かという点にも焦点を当て、支え合う地域社会の創造に資する分析作業を進めていきたい。
ヒアリング先の訪問については、前年度に引き続きコロナ禍により活動(移動)を縮小したほか、業務多忙により実施することができなかった。次年度は訪問による情報収集を実施することを基本とし、場合によってはZoom等のオンラインビデオ通話を活用し、情報収集に努めたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主な理由は、先に述べた通り、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け研究が大幅に遅れたこと、さらに新カリキュラムが始まり教育業務が増大したためである。本来は、アンケート調査結果を踏まえフィールドワークを実施する予定であったが、今年度はアンケート調査の分析作業に止まったため、訪問によるヒアリング調査など移動を伴う研究に関する支出が次年度分に繰り越された。
次年度は訪問またはビデオ通話による情報収集を実施するため、未使用額であった旅費および謝金が生じる予定である。また、外部の移動が可能になったことに伴い、学会参加を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「地域共生社会における地域拠点設置の意義と運営の課題」(再掲)加筆版2023

    • 著者名/発表者名
      倉持 香苗
    • 雑誌名

      『地域ケアリング』

      巻: 25(1) ページ: 54-59

  • [雑誌論文] 「地域共生社会における地域拠点設置の意義と運営の課題」2022

    • 著者名/発表者名
      倉持 香苗
    • 雑誌名

      『地域ケアリング』

      巻: 24(7) ページ: 102-107

  • [学会発表] 「福祉課題解決のための活動を地域で支える可能性 ―市民ファンド団体に対するアンケート調査から―」2022

    • 著者名/発表者名
      倉持 香苗
    • 学会等名
      第22回人間福祉学会

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公開日: 2023-12-25  

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