研究課題/領域番号 |
20K20818
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
木村 優 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (40589313)
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研究分担者 |
下郡 啓夫 函館工業高等専門学校, 一般系, 教授 (00636392)
三河内 彰子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (20838453)
一柳 智紀 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30612874)
坂本 篤史 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30632137)
花井 渉 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (60783107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | エージェンシー / 学びのサイクル / 対話するカリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究では、学校・教師がカリキュラム・オーバーロードを克服し、各地域と子どもの実態に即した教育実践を実現可能な、学びのサイクルに準拠したカリキュラムデザインの理論枠組みを導出することを目的に定めている。この研究目的達成を図るため、研究代表者と研究分担者5名による研究プロジェクトチームを組織し、学びのサイクルの解明を研究主題に掲げてきた2つの学校:福井大学教育学部附属義務教育学校・新潟大学教育学部附属中学校を研究協力校としてアクション・リサーチを実施している。2021年度には、学びのサイクルを通して子どもたちが伸長・発達させていく能力の実態を解明する研究2を推進した。特に、子どもたちが伸長・発達させていく能力=コンピテンシーとして「エージェンシー」に着目し、その構成要素である(1)成長マインドセット、(2)希望、(3)アイデンティティ、(4)動機づけ(内発的動機づけ)、(5)目的意識、(6)自己効力感、(7)所属感、これら7能力の先行研究の概観を行った。この概観にもとづき、生徒エージェンシーを測定するための尺度開発を行い、同質問紙調査を研究協力校1校で3学年全員(約360名)に実施した。現在、その成果をまとめて論文化に取り組んでいる。また、カリキュラム・デザインに関する教師インタビューを実施し、教師のカリキュラム・デザインにおいて、「学びのサイクル」への視座が教師たちのカリキュラム・デザインにおける柔軟性と自律性を高め、さらに「対話するカリキュラム」という新しいカリキュラム・デザインへのアプローチを生成していることが明らかとなった。この成果を2022年度に学会で発表する予定になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
協働研究校における新型コロナウィルス感染症拡大への対応状況を受けて、学校でのフィールドワーク、教師インタビュー、生徒質問紙調査の日程調整が迫られた。特に、生徒質問紙調査については所属機関の倫理審査を通して実施直前に新型コロナウィルス感染症拡大傾向が見られ、研究協力校1校での実施が見送られた。学校との調整により調査は継続できているものの、当初計画していたよりも収集データ数が不足している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、教師インタビューを精力的に推進し、データ収集と分析の速度を上げていく。ただし、新型コロナウィルス感染症拡大状況に応じて、柔軟に調査の調整を学校・教師と密に協議する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大のために学校実地調査ならびにカリキュラム研究海外調査の予定の変更が生じたため。2022年度には上記2調査を推進・実施する。
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