研究課題/領域番号 |
20K20826
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 正行 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (30351258)
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研究分担者 |
和嶋 雄一郎 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (20572093)
伏木田 稚子 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (40737128)
根岸 千悠 京都外国語大学, 共通教育機構, 講師 (60726610)
森 玲奈 帝京大学, 共通教育センター, 准教授 (70588087)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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キーワード | 大学院生調査 / インタビュー / 研究活動における転機 / プレFD / gradSERU |
研究実績の概要 |
(1)gradSERU(研究大学の大学院に所属する学生を対象として実施されている生活実態調査)を大阪大学大学院を対象に2023年11月~2024年1月に実施した.博士前期課程712名,博士後期課程679名,合計1391名の回答があり,集計を行った.
(2)2022年度に実施した大学院生を対象とした教授能力開発に関するアンケートの結果の分析を行い,計374名を分析対象とした.大学教員に対する志望度は,すべての分野において修士課程よりも博士課程の方が志望度の平均が高かったが,専門分野間に有意な差は見られなかった.大学教員への志望度が高い群は低い群よりも各プレFDに対するニーズが高かった.また,プレFD 参加者群と非参加者群との間で,大学教員に求められる教育能力や教師効力感に対する自己認識において有意な差が認められた.
(3)大学院博士課程在籍者の研究活動における転機となる経験を把握することを目的として,オンラインによる半構造化インタビューを行った.インタビューアーは協力者と面識はなく教授‐被教授の関係を持たないものとする.インタビュー方法は,ライフラインメソッドを参考とし,事前に自身の研究活動における気持ちの抑揚について折れ線グラフを所定のワークシートに描いてもらった.そして,それをもとに契機となった出来事と,折れ線の上下した理由について質問した.最後に,研究室・ゼミの大きさや教員との距離感などいくつかの項目について確認を行った. それぞれの研究科や研究テーマが異なるように協力者を選定し,2023年9月~11月に6名を対象にインタビューを行い,その時点でのデータを分析して,モチベーションが上がった契機,下がった契機の項目を洗い出した.さらに,2024年2月~3月にかけて21名にインタビューを行い,最終的に合計27名からのデータを収集した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れていた,大学院博士課程在籍者の研究活動に関する半構造化インタビューを2023年度中に完了した.もう1年延長して,2024年度にインタビュー結果を分析する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
もう1年延長して,2024年度にインタビュー結果を分析した上で,2023年度に実施したgradSERUの分析,これまでの質問紙調査の結果もあわせて総合的に検討し,大学院生の研究活動の駆動を支援できるための知見,学習環境についての示唆などを得ることを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の前半に,コロナ禍の影響で、訪問調査による海外出張が不可能だったことなどから、旅費の利用が少なかったことが主たる理由で,2023年度にほぼ使用している状況である.2024年度は、必要な物品の購入、成果発表のための旅費に使用する予定である.
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