研究課題/領域番号 |
20K20834
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
米沢 崇 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20569222)
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研究分担者 |
中井 悠加 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40710736)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | 学校組織 / 教員 / チーム / チームワーク / チームワークプロセス / チームワーク能力 |
研究実績の概要 |
3年目である2022年度は、海外の先行研究の動向を踏まえつつ、日本における教員のチーム・チームワークに関する概念の整理と再定義を行い、日本における教員のチーム・チームワークに関する研究の成果と課題について論文として発表した。 さらに、これまでに整理した理論的な枠組み(教員のチームのインプット-プロセス-アウトカムモデル(Somech et al. 2007)及び教員の専門的学習活動モデル(Beverborg et al. 2015; Geijsel et al. 2009; Runhaar et al. 2010; Thoonen et al. 2011))を踏まえ、下記の量的研究と質的研究の計画・準備を行った。 ①1つの目の量的研究では、校長の指導的リーダーシップ、学校の共有型リーダシップ、チームワーク効力感とチームワークプロセス(タスクの相互依存,ゴールの相互依存)との関連、チームワークプロセスと教員の自己効力感、専門的学習活動との関連について検討する質問紙調査を計画・準備した。 ②2つの目の量的研究では、教員のチーム・チームワークの個人的側面である教師のチームワーク能力(KSAs)、チームワーク効力感と組織的側面であるチームワークプロセスとの関連について検討する質問紙調査を計画・準備した。 ③質的研究では、2022年度よりPBL(Project Based Learning)に取り組む広島県内の中学校1校、小学校2校と研究協力を結び、PBLを組織的に行う上での支援を行った。さらに、組織的活動に取り組む上での教員のチームのチームワークプロセスや校長・ミドルリーダーのリーダーシップについて質的に明らかにするインタビュー調査を計画・準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、これまでの研究成果を踏まえ、量的研究・質的研究の計画・準備を行った。しかし、量的研究では、海外で発表された研究の尺度を利用したため、利用許諾作業や翻訳作業に多くの時間を割くことになったため、年度内に調査を実施することができなかった。さらに、質的研究では、新型コロナウイルス感染症の影響で、広島県内の中学校1校、小学校2校との研究協力とインタビュー調査の計画・準備しか行うことができなかった。 以上のことから、本研究の目的の達成に向けて「遅れている」と判断した。そのため、研究期間を延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究計画の遅れを取り戻すため、上記の量的・質的調査を早期に実施する。その際、調査会社によるモニター調査(オンライン調査)を活用し、量的調査研究を推進する予定である。質的研究も協力校に早期にインタビュー調査を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、各調査研究の計画・準備に時間を要したため、予算を計画的に執行できなかった。そこで、次年度使用額については、量的・質的調査の実施費用及び成果発表、英語論文執筆の予算として執行する予定である。
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