研究課題/領域番号 |
20K20854
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
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研究分担者 |
小林 佳美 国立教育政策研究所, 幼児教育研究センター, 国際調査専門職 (80866335)
中和 渚 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (00610718)
末松 加奈 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (30825625)
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 講師 (50773016)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 科学的探究 / 芽生え / 幼児教育 / 接続 |
研究実績の概要 |
本研究は幼児期における科学的探究心の芽生えと小学校低学年期における科学的探究の接続に関する研究を行うことを目的とし、次の四点を行う計画である。 (1)科学的探究について、幼稚園教育要領や小学校学習指導要領等での捉え方を歴史的に整理しつつ、幼児期と低学年期で接続可能な要素の体系化;(2)5歳児と小学校低学年の児童を対象に科学的探究心の芽生えに関する実証的調査;(3)保護者を対象にした家庭の社会経済的背景(SES)と科学的探究の認識に関する調査:(4)調査結果を基に、幼児教育の保育者を対象にした参考資料「幼児の科学的探究心の芽生えの支援と見取りに関する資料」を保育者と共同開発 初年度は上記の(1)と(2)に関して研究を進めた。(1)については、研究分担者との間でオンライン打合せを行いつつ、科学的探究について、幼稚園教育要領やその解説、小学校学習指導要領等での捉え方を歴史的に整理にした。加えて、本研究で扱う、幼児期における科学的探究心の芽生えに関する暫定的な定義や位置づけを示す試行的モデルについて検討を重ねた。研究の結果の一部は、 ヨーロッパ科学教育学会(ESERA)のSpecial Interest GroupsのEarly Years Scienceグループが企画した書籍の一部として取りまとめた(近刊)。(2)については、先行研究における調査手法について整理を進め、調査項目について翻訳を行った。これにより、2021年度に予定するパイロット調査等の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は(1)科学的探究について、幼稚園教育要領や小学校学習指導要領等での捉え方を歴史的に整理しつつ、幼児期と低学年期で接続可能な要素の体系化、(2)5歳児と小学校低学年の児童を対象に科学的探究心の芽生えに関する実証的調査に関連する研究を進めた。(1)については、概念枠組の検討と進めつつ、研究結果の一部を国際的な書籍(2021年刊行予定)に取りまとめた。(2)については、調査項目の翻訳や検討を行い、2021年度に予定するパイロット調査の準備を順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、(1)に関連して概念的枠組等の精緻化を行う。また、成果の一部について、科学教育関連の学会にて発表を行う。(2)に関連して、パイロット調査を小規模で実施し、調査項目や手続きの妥当性を確認する。(3)の質問紙調査については、(2)の実証的調査の項目の確定後に、それらに関連する調査項目について検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大のため、すべての研究打合せをオンラインで行い、また、幼稚園や小学校への視察等を行うことができなかった。このため、旅費は使用しなった。2021年度については、対面又はオンラインでの参加となる日本科学教育学会において、研究発表を予定している。また、年度後半において、感染状況が落ち着いてきた場合、幼稚園や小学校への視察や研究打合せを一部対面で行う。これらのことから、旅費が必要である。
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