研究成果の概要 |
本研究は, 「時間作用素」の存在の実験的検証と理論的研究を行うものである. Hを系のハミルトニアンとするとき, 弱ワイル関係を満たすペア(H,T)が存在すれば, Tを強時間作用素という.本研究は純粋数学の概念である時間作用素の存在を実験で確かめようという極めて挑戦的な研究である. しかし、コロナ禍で当初の予定通りに研究は進まなかったが, 時間の理論家, 実験家を集めた研究会の開催とレクチャーノートの発行、および、海外国内での成果発表などを行うことができた. また、シミュレーションでの新井の不等式の検証を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
時間作用素はハミルトニアンに付随した概念として与えられる. 数学的には時間作用素は線型作用素の一つである. 時間作用素が量子力学に関連しているため, 直接的な社会的意義はないが, 量子力学は現代科学の基礎であり, 多くの応用分野に影響を与えていることを考えれば, 社会的な進歩や技術の向上につながることがあり得る.
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