本研究では、試料長の変化をサブピコメートルの高感度で検出できるキャパシタンス式膨張計を開発し、ベクトルマグネットおよび希釈冷凍機と組み合わせることで、0.1 K以下の極低温まで磁場角度分解磁歪測定が可能な実験装置を実現した。本装置を用いて超伝導相内部で発現するFFLO相転移の検出にも成功し、CeCoIn5のFFLO相転移が異方的な試料長変化を伴うことを見出した。以上のように、本研究の実施によりFFLO超伝導の新たな研究アプローチを開拓することができた。本装置の応用可能性は極めて広く、非自明な相転移を示す様々な系の研究に応用していくことで物性物理学の発展に今後も幅広く貢献することが期待できる。
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