研究課題
本年度は、とくに小型衛星への搭載を意識したハイブリッド・コンプトンカメラ技術の開発と、これを用いた大気ガンマ線(雷ガンマ線)イメージングへの挑戦を行った。まず、数十キロ電子ボルトのX線からガンマ線を測定可能なハイブリッド・コンプトンカメラを4台製作し(1) ピンホール・モード (2) PETモード (3) コンプトン・モードによる「3次元マルチ・モダリティ」イメージングが実現可能なことを実証した。さらに、散乱成分を用いて線源の奥行方向を推定する、新しい手法を提案した。(Omata et al.2022, Nature Sci.Rep.)。続いて、ハイブリッド・コンプトンカメラの筐体をタングステンからBGOシンチレータに変更することで、視野外から入るバックグラウンドイベントの効率的な除去および、エスケープ・イベントの除去が可能な「アクティブ・シールド」の概念を提案し、得られるX線ガンマ線画像の大幅な画質向上を実証した (Masubuchi et al. 2022, in prep)。大気計測では、同カメラを新潟県十日町市および石川県金沢市に設置することで、雷から生ずるガンマ線の観測を行った。2例のガンマ線グローを検出し、結果については現在検証中であるが、世界で初めて雷ガンマ線のイメージングに成功した可能性が高い。現在プレスリリースの準備を進めている(Kuriyama et al. 2022 in prep.)。最後に、CT画像の鮮鋭化については、撮影時のピッチを半ピッチないしは1/3ピッチずらすことで、解像度が約0.5mmかつS/Nが良い多色CT画像の取得に成功した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件)
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