研究課題/領域番号 |
20K20938
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30361786)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | 独立成分分析 / 初期地球 / 古海洋組成 / 生命進化 / 縞状鉄鉱層 / 炭酸塩岩 / チャート / 微量元素組成 |
研究成果の概要 |
本研究では、堆積岩の化学組成から古海洋組成を推定する上で必須となる堆積岩中の各成分の分離を統計学的に行う手法(独立成分分析)の開発を行なった。近年、独立成分分析は地球科学において広く利用されているが、基本的には成分の特定のみで、各成分の化学組成を推定するには至っていない。本研究では、平均の取り方や組み合わせる堆積岩の種類を工夫することによって、各成分の化学組成を推定することを可能にした。さらに、本手法を初期地球の縞状鉄鉱層や炭酸塩岩に適用し、それらに含まれる鉄酸化物、炭酸塩鉱物、珪質粒子および砕屑物の分離を行い、それらの微量元素組成を推定することを可能にし、当時の海洋組成を推定した。
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自由記述の分野 |
地球科学、地質学、地球化学、堆積岩岩石学、地球史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球は大きな海洋と多種多様な生命が存在する非常に活発な惑星である。その地球を理解するためには、進化を理解することが重要であるが、初期地球の情報は極めて乏しく、当時の海洋組成を推定することも困難とされる。一般に古海洋組成は堆積岩の化学組成から推定される。しかし、そのためには、様々な起源物質の混合物である堆積岩中の各成分を分離する必要があるが、実際には不可能である。そこで、本研究では統計的な手法(独立成分分析)を用いて、各成分を分離する手法の開発を行なった。これにより、様々な起源物質を含む堆積岩でも、海洋から晶出した成分の化学組成を決めることが可能となり、古海洋組成のより定量的な推定を可能とした。
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