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2020 年度 実施状況報告書

基板上で電子を操作する「電子チップ」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21147
研究機関埼玉工業大学

研究代表者

内田 正哉  埼玉工業大学, 付置研究所, 教授 (80462662)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード電子 / 電子光学デバイス / 量子デバイス / 軌道角運動量 / 電子顕微鏡
研究実績の概要

本研究では、原子ではなく電子をガイド、トラップする電子光学デバイス、すなわち、「電子チップ」の開発を行う行なうことを目的に研究を遂行している。令和2年度の主な成果は、以下の通りである。

年度当初より新型コロナウイルス流行による影響により、大学および装置利用を行う予定の他研究施設への立ち入り制限等もあり、研究の中断あるいは遅延が余儀なくされた。このため、理論的検討およびシミュレーションによる検討を主に行った。今回開発する「電子チップ」の一つは金属細線を流れる電流によって生じる局所磁場をもちいてチップ上電子の制御を行うタイプである。有限要素法をもちいる電磁場シミュレーションの結果、シリコン基板上の2本の金属細線に同じ向きの電流を流すと、磁場同志が打ち消しあい、細線間に磁場の極小部ができ、細線に沿って電子をガイドする「電子導波路」がある条件下で実現可能であることが確かめられた。さらに、電子を3次元的に閉じ込める3次元的な磁場極小部をもつデバイス構造の設計も行った。また、「電子チップ」の開発には欠かせない電子の直接検出を行う2次元検出器の開発および評価を行った。現在市販されている電子の直接検出を行う2次元検出器は極めて高価であり、低加速の電子を検出するものは、我々の知る限りない(市販のものは加速電圧60keVの電子から対応)。具体的には、可視用撮像素子のカラーフィルター層およびレジストを薬剤をもちいて除去し電子線用撮像素子の開発を行った。本撮像素子を電子顕微鏡に搭載し、1keVの低加速電子を検出することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス流行による影響により、大学および装置利用を行う予定の他研究施設への立ち入り制限等もあり、研究の中断あるいは遅延が余儀なくされている。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス流行による影響がしばらく続くことも予想されていることから、当初計画を変更し、学内あるいは依頼での実施も検討している。

次年度使用額が生じた理由

未使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス流行による影響によるものである。これにより、実際のデバイス作製が不可能な状況が生じ続いている。今年度も新型コロナウイルス流行の影響を大きく受ける可能性があるが、繰越金と合わせての執行計画として、当初計画にあるよう、テストデバイス作製後、必要な器材の購入を予定している。

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公開日: 2021-12-27  

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