本研究では、連続的かつ持続的な高分子の分解反応を通じて高分子物質そのものがフェロモンへと変換されるポリフェロモン、およびポリフェロモンと組合わせて利用する高分子基材を開発することを目的とした。 この目的を達成するために、特定のカメムシのフェロモンとされるγ-ブチロラクトン(γBL)の開環重合によるポリ(γBL)(PγBL)の合成、およびポリジメチルシロキサン(PDMS)由来の光応答性粘着剤を作製した。また、この光応答性PDMS粘着剤とPγBLとを複合化することができることが分かり、PγBLは光塩基発生剤存在下で光刺激を受けることで解重合し、γBLを与えることが分かった。
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