微生物は多種多様な中分子ペプチドを生産するが、分子量1,000を超える中分子ペプチドの多くは細胞膜を透過しないため、従来の生理活性を指標とした創薬シード探索では十分に探索しきれていない。特に、極性中分子ペプチドは細胞膜を全く透過しないため、未開拓な創薬資源と言える。本研究では、これら中分子ペプチドをポリカチオン修飾することで細胞膜透過性を改善させ、実際に新しい生理活性を見出せることを示した最初の成功例である。さらに、細胞膜透過する極性中分子ペプチドの分子標的を同定できれば、抗体医薬に出遅れた日本において、極性中分子ペプチドを基盤とした創薬モダリティを世界に先駆けて開拓できる。
|