本研究では、フタホシコオロギを用いて共食い現象と体表ワックス(CHC)の組成の関連性について追究した。まず、CHC生合成経路に関わる酵素遺伝子(FAS、Desat、ELOVL、P450)を同定した。それぞれにはサブタイプがあったため、CHCに関わるか否かを検討中である。 また、フタホシコオロギでは、主に成虫で認められると思われていた攻撃性や共食い行動は、生活環のどのタイミングでも認められることが分かった。特に、幼生期では体サイズの違いによる共食い行動を効率よく再現できるようになった。この幼生期の共食い行動を検定系にすれば、共食い行動とCHCの関連性の研究がさらに発展することがが期待される。
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