研究課題
挑戦的研究(萌芽)
この研究は、花粉細胞が仮死状態から急速に液胞化し、高速で先端成長状態へと移行するメカニズムについて、植物のVPS13aという分子に着目して解析を行なった.VPS13aは小胞体ネットワークやLipid droplet(LD)といった細胞内オルガネラの間の接着とリリースの制御に重要な役割を果たすことが明らかとなった.また、VPS13aは分泌小胞を構成するタンパク質と共局在することが明らかとなり、VPS13aを欠損させると花粉管の分泌に影響が生じることが明らかとなった.
植物分子生物学
本研究により、植物のVPS13aの生化学的な機能が初めて明らかとなった.VPS13は真核生物において普遍的に保存されており、様々な細胞機能をもつことが報告されてきた.一方で、本研究ではVPS13aが初めてエキソサイトーシスに関わることを示しており、細胞分泌と花粉管成長との間を取り持つ鍵分子であることを明らかにした.VPS13は真核生物で保存されているうちで最も大きなタンパク質のひとつであり未知が多く、本研究の基礎細胞生物学的な価値が期待される.