ヒトゲノムの98%はタンパク質をコードしないノンコーディング配列である。これまでの分子遺伝学を用いた睡眠/体内時計の研究では遺伝子のコーディング部位の変異を基盤とした研究が主に進められてきた。本研究では、遺伝子間ゲノム領域およびmRNAの5’/3’非翻訳領域において進化的に保存されたノンコーディングエレメントに着目した結果、体内時計の機能に影響を及ぼす可能性のあるエレメントを同定することができた。特にその中でも、体内時計遺伝子の翻訳制御を司る最小単位uORFという新しい配列を同定し、これが細胞時計の位相合わせに必須であることを示せた(Cell Rep 2023; 科学新聞2023/3/17)。
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