本研究では、「体内に普遍的かつ大量に存在する自然抗体に対して強固に結合可能なヒッチハイクペプチド」を用い、体内の抗体を送達キャリアとして活用することで、抗原の動態を最適化する“ヒッチハイクワクチン”とも言うべき新たなワクチンの概念構築を図った。その結果、自然抗体に結合するヒッチハイクペプチドを独自に同定すると共に、本ペプチドを抗原送達キャリアとして活用することで、抗原特異的抗体の産生を増強するという第一の目標は達成でき、ヒッチハイクペプチドの萌芽的概念を実証することができた。一方で、抗原特異的CD8陽性細胞の増強には至らず、今後、さらなる改良が必要であると考えられる。
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