本研究の成果は、糖タンパク質の細胞内輸送ルートを制御することを通じて糖鎖修飾をコントロールする新たな研究の方向性を示すものである。実際、本研究に端を発して、糖転移酵素のゴルジ体内での局在を体系的に調査するプロジェクトが発動している。こうした研究を展開することで、これまでのゲノム研究では見出すことができなかった糖鎖修飾のブループリントを解読することが現実のものとなり、それに基づいてタンパク質の糖鎖修飾を自在に制御する道が拓けるものと期待される。このように本研究の成果は、基礎生命科学のみならずバイオ医薬・細胞医薬の次世代化を推進することで薬学領域に大きな波及効果をもたらす基盤を構成するものである。
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