研究課題
挑戦的研究(萌芽)
小胞体ストレストランスデューサーBBF2H7から産生される小ペプチド断片(BSPフラグメント)が強固な凝集体を形成すること、BSPフラグメントがアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ1-40タンパクの凝集を促進して神経細胞毒性を増強することを明らかにした。アルツハイマー病患者脳サンプルを使ってBSPの発現レベルの違いを検討したが、正常脳サンプルとの間に差がなく、病態形成への関与を裏付ける根拠は得られなかった。
細胞生物学
小胞体ストレスは神経変性疾患や糖尿病をはじめとする様々な疾患の発症、病態形成に関与していると信じられている。しかし小胞体ストレスがin vivoにおいて疾患発症に寄与していることを証明した研究は見当たらない。本研究課題からBSPフラグメントがin vivoでの小胞体ストレスのマーカーになり得る生化学特徴を有することが証明され、疾患発症と小胞体ストレスの関連性解明に向けて前進した。今後はBSP検出系をさらに充実させ、高感度にBSPをin vivoで検出するシステムを構築する必要がある。