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2022 年度 研究成果報告書

急性放射線障害に対するトロンボモジュリン分子の臨床応用

研究課題

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研究課題/領域番号 20K21582
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分52:内科学一般およびその関連分野
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

池添 隆之  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80294833)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードトロンボモジュリン / 急性放射線症候群
研究成果の概要

血管内皮細胞上に発現する、複数のドメインから構成される膜タンパク、トロンボモジュリン(TM)はトロンビンと結合してプロテインCを活性化プロテインC(APC)に変換して抗凝固作用を発揮する。培養血管内皮細胞を用いた実験で、TMは放射線によるDNA傷害マーカーであるγH2AXのリン酸化を抑制した。我々はトロンビンと結合しないTM変異体TM G412Dを作製した。TM G412Gは培養血管内皮細胞の増殖と血管新生作用を増強した。TM G412Dは急性放射線症候群の治療薬として有望かもしれない。

自由記述の分野

血液内科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

東京電力福島第一原子力発電所では今後廃炉作業が進められる。起きてはならないことではあるが、その発生リスクがゼロではない被ばく事故に備えた対策の確立が望まれる。特に1グレイ以上の線量を被ばくした際に生じる骨髄不全や消化管障害などからなる急性放射線症候群に対する治療法の確立は急務である。本研究により、放射線によるDNA損傷をTMが緩和する可能性や、放射線傷害の結果生じるフリーラジカルによる肺障害をTMが緩和する可能性が示された。TMは抗凝固薬であるため、被ばく患者に使用すると出血を助長することが危惧される。我々が合成したTM G412Dは凝固系に作用しないため安全に使用可能である。

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公開日: 2024-01-30  

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