研究課題
挑戦的研究(萌芽)
慢性炎症は生活習慣病とがんに共通する基盤病態である。マクロファージの機能が適切に制御されないことが、慢性炎症をもたらす重要な機序の一つと考えられる。マクロファージの細胞代謝と機能の関連について解析し、マクロファージを取り巻く代謝環境の変化がマクロファージの機能を大きく変えることを見いだした。また、細胞代謝と機能を接続する新たな非コードRNA、lncFAOを同定した。
循環器内科学
マクロファージは炎症の慢性化や、慢性炎症による臓器障害で重要な役割を果たすことから、マクロファージの機能制御機構の解明は、新たな診断・治療標的の同定につながる可能性が高い。本研究では組織における代謝環境、マクロファージの細胞代謝、遺伝子発現制御とが密接に連関していることを見いだした。この成果は、糖尿病や肥満といった代謝疾患における心血管疾患やがんの発症機序の解明に発展することが期待できる。