私たちはこれまでに有効な治療法が乏しい急性肝不全の病態を改善させる免疫学的機序として、形質細胞様樹状細胞pDCが、TH1細胞およびその産生する肝炎悪化因子IFN-γを抑制していることを報告した。本申請研究において、pDCを肝炎急性期の傷害肝により効率的にデリバリーさせる分子メカニズムを明らかにし、自己骨髄細胞を用いた将来的な臨床応用への橋渡しを行うことを目的とした。小腸ホーミングレセプターとして知られるCCR9を欠損させたpDCを用いると、pDCの肝臓への集積が促進され肝障害の軽減作用が増強されることが明らかとなり、より効率的なpDCを用いた急性肝障害の病態制御の可能性が示唆された。
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