研究課題/領域番号 |
20K21709
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邊 浩子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20315857)
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研究分担者 |
大野 ゆう子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60183026)
伊藤 雄一 大阪大学, 情報科学研究科, 招へい准教授 (40359857)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 乳児揺さぶられ症候群 / VR教育 / 泣きの対処行動 / 乳児虐待 |
研究実績の概要 |
「乳児揺さぶられ症候群(Shaken Baby Syndrome: SBS)」は、致死率15%、後遺症危険率50%と乳児の命を脅かす危険な行為であり、乳児虐待に該当する。厚生労働省は2013年より、SBS防止策として視聴覚教材DVDを作成し広報啓発活動を行っているが、発症率は減少していない。単に視聴するだけの教材は受動的な学びにすぎず、乳児の保護者が能動的な発見や学びを獲得できる体験型の教材の開発が必要である。本研究の目的は、VRを活用した乳児の泣きに対する適切な対処行動を学習する教材を開発し、SBS発症を予防することにある。 R2年度は、乳児の泣きへの対処行動を、乳児側からの一人称体験ができる乳児視点の3D動画を母親用と父親用の2種類を作成した。動画はA)よくある対処、B)適切な対処、C)不適切な対処をつなぎあわせ、視聴時間を約5分となるように構成した。VRゴーグルを頭部に装着し、仮想現実を体験できるように、スマートフォンにVR動画のデータを移行し、スマートフォンを段ボール製ヘッドマウントディスプレイに取り付け、SBS防止策教材のVRゴーグルを完成させた。 倫理審査の承認も得られたため、助産師と保健師約10名にVR教材を体験してもらい、コンテンツ内容の妥当性、改善点などについて意見を求め、VR動画を改良し、完成させる予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、助産師と保健師へのプレテストは延期となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作成した3DVR教材のコンテンツ内容の妥当性、改善点のために助産師と保健師へのプレテストを実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度は、DVR教材のコンテンツ内容の妥当性、改善点のために助産師と保健師へのプレテストを実施し、VR動画を改良し、完成させる。その後、対象者①(20歳以上の育児経験のない男女)、対象者②(20歳以上の妊婦とそのパートナー)をリクルートし、非盲検化ランダム化比較試験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、プレテストの実施が延期となったため。
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