研究課題
挑戦的研究(萌芽)
トロピカル代数系と呼ばれる新しい代数系で記述した組合せ最適化問題を対象として,GPU(Graphics Processing Unit)などの計算アクセラレータ上で高速に解く手法を検討した.具体的には,トロピカル代数系に特有の最適化技術に加え,数万個のスレッドが動作するGPU上で応用を加速するためのデータ圧縮・解凍手法を開発した.これらの有効性を,全点対最短経路探索や量子回路シミュレーションなどの実用的なGPU応用を用いて評価した.
高性能計算
人工知能技術の隆盛に象徴されるように,GPUによる計算の高速化は技術のブレークスルーに不可欠な手段として定着している.トロピカル代数系に特有の最適化技術は,道路網やSNSだけでなく,生命情報科学における生体配列の解析に対して貢献でき,適用範囲は広い.また,ライブラリとして実現したデータ圧縮技術は,煩雑なGPUプログラミングの労力を軽減でき,超並列計算機による研究開発の敷居を低下できるものと期待される.