本研究は,自然画像に対する心地よい・気持ち悪いなどの情動的反応が画像に含まれる特定の特徴量に対する素早い神経応答に依存する可能性を心理実験と脳波解析により検討した.その結果,情動的反応は少数のクラスの特定の画像統計量に強く依存し,かつそれらの画像統計量に対する短潜時の脳波電位が主観的な情動反応と高く相関することを明らかにするとともに,不快さをもたらす画像統計量は自然環境の統計的規則性から逸脱するものであることを発見した.これらの成果の応用として,画像特徴量により画像のテクスチャ性の判別,絵画様式の判別,脳波からの画像復元,などが可能であることも見出した.
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