意識の流れを実験的に検出するための研究を行った。まず時間長と周波数帯域を多重変数として一方に注意すると3拍子、他方に注意すると4拍子になる刺激を作成した。被験者を十分訓練し、任意の属性に注意させることで同じ刺激を異なる拍子として知覚できるようになり、また、拍子が切り替わる際に特徴的な陰性電位が検出できた。次に楽譜を見てメロディーを聴くときの眼球運動を手がかりとして、メロディーの階層性知覚を計測する方法を確立し、音楽構造の破壊と知覚の階層性との対応を記述できた。最後にコロナ禍の中で実行可能な研究としてオンラインによるリズム知覚の実験を行い、音色の変化で弁別力が低下する現象を発見した。
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