本研究は、従来コンピュータディスプレイ上で効果が確認されていた画像フィルタを用いた視線誘導手法を、procamsを用いて実世界の物体に対して実現し、その効果を確認した点に新規性がある。従来、実世界での視線誘導は、視線を誘導した物体だけにスポットライトを照射したりするもので、ユーザは視線誘導が行われていることに容易に気づくものであるが、こうした積極的な視線誘導は過去の研究においても不評であった。これに対して、本手法はプロジェクタを用いてユーザの視覚的認知可能なギリギリの視覚効果を生成する。結果として、ユーザは視線誘導が行われていることには気づかないが、無意識のうちに自然な視線誘導が行われる。
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