研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では,睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS) の既存の判定手法がもつ問題点を克服するために,今まで誰も成し得ていない「呼吸」ではなく「覚醒」に着目した無拘束型SAS判定手法を提案し,高い精度で判定できることに成功した.さらに,健常者は体動が大きいときに「覚醒」,小さいときに「睡眠」となるのに対し,SAS患者ではその傾向に加え,逆の傾向も示すことが明らかになった.
知能情報学
学術的意義としては,SASの主たる原因である「呼吸」に着目するのではなく,睡眠中の「覚醒」に着目した新しいSAS判定法を確立し,従来手法の問題(低呼吸判定の限界と努力呼吸の誤判定)を克服したことである.社会的意義としては,無拘束型のマットセンサを用いた提案手法によってSASを早期に発見することで,糖尿病・高血圧・心筋梗塞・脳梗塞のリスクを低減させ,SASによる不眠からくるヒューマンエラーや産業・交通事故を削減し,労働生産性の低下を抑制することが可能となる.