研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は身体運動情報のマルチモーダルセンシング技術を活用し,ピアニストの演奏技能の計測・評価・フィードバックシステムの開発と評価に取り組んだ.50名を超えるピアニストに異なる演奏課題を演奏してもらい,演奏技能に関わる特徴量(コツ)を演奏時の身体運動情報から機械学習を用いて各演奏課題において抽出した.さらに,得られた特徴量を可視化してピアニストに提示する練習が演奏技能お熟達を促進することを,バイオフィードバックトレーニング実験により明らかにした.
身体運動学
高度な技能の個人差と因果性のある要因を明らかにすることは,テイラーメイドの技能トレーニングを開発するために不可欠である.ピアニストの演奏技能の個人差を説明する要因を明らかにした本研究は,ピアノ演奏の熟達支援に貢献し得るだけではなく,技能の評価やバイオフィードバックトレーニングを伴う新しい技能評価・熟達パイプラインの有効性を示すという学術意義を有する.本研究成果は,スポーツ科学の恩恵を被るアスリートらと同様に,演奏家らの技能熟達に寄与する教育意義も有する.